わたしたちが提供している訪問診療(在宅医療)とは、高齢の方や病気を患った方がお一人での通院が困難になったときに、患者様のもとに医師が定期的に診察に伺い、治療や計画的な健康管理(栄養状態や転倒リスクの評価・寝たきりや床ずれ・誤嚥性肺炎の予防など)を“かかりつけ医”としておこないます。
これまで日本では、急性期病院を退院後に通院が難しくなると、療養型病院に転院し長期入院することができましたが、医療を取り巻く状況や医療費の問題から制度の見直しがなされ、現在は病院以外の場所で療養場所の受け皿が必要となっています。
このため、わたしたちクリニックが訪問に伺う場所は、住んできた自宅だけにとどまらず、有料老人ホームやグループホームといった高齢者向けの施設などへと年々広がりをみせています。また在宅医療で受けることができる医療サービスの内容も増えてきており、様々な疾患を抱えた患者様やご家族がご利用できます。まずはお気軽にクリニックへご相談ください。
医師が自宅や居住されている施設を定期的に訪問し、診察・検査・治療・薬の管理や処方・療養上の相談などおこなうことを訪問診療といいます。
原則2週間に1回、自宅や施設を訪問し定期的に評価をおこないます。また、専門医療機関の受診や入院が必要と判断した時には、連携病院や専門医に紹介し、受診の調整を迅速におこないます。
緊急時には24時間365日体制で医師や看護師が対応し、必要に応じて自宅や施設に伺い診察・治療・ケアをおこないます。
また地域の訪問看護ステーションなどと連携・協力しているため、様々な職種の方からの緊急連絡にも対応し療養される方の不安の軽減に努めます。
病気を抱えながらの生活には、痛みや息苦しさなどの体の辛さや、気持ちの落ち込みなど精神的な辛さ、経済面の問題など様々な辛さを生じることがあります。このような辛さに対し、私たちはお薬の調整だけでなく精神的なサポートや適切な支援制度の選択など多職種で患者様やご家族を支援する”緩和ケア”をおこなっています。
がん患者様を対象とすることが多かった緩和ケアですが、今では様々な病気を抱えた方に提供されています。
クリニックでは自宅でも専門的な緩和ケアが受けられるよう経験豊富なスタッフが診療やケアをおこないます。
在宅療養をしながら過ごすとき、介護保険をはじめ様々な支援制度があります。しかし実際に患者様がどのようなサービスを利用でき、どのような体調の時に、どこに相談すればよいのかわからないことが多いのではないでしょうか。
私たちのクリニックでは専門スタッフが皆様の状況に応じて相談や対応をしています。
医療や福祉制度を上手に利用しながら、ご本人が希望される生活が送れるように、そしてご家族も安心して支えていけるように支援いたします。
在宅医療や福祉サービスを担う地域の訪問看護師やケアマネ―ジャー、薬剤師など多職種の方々と連携し、そのとき必要な、または有効なサービスをご紹介し、適宜調整もいたします。
病院の地域連携室と情報交換を積極的にしており、入院した際も“退院後の生活”を視野に、病院側と情報を共有しながら、退院後も安心して在宅での療養が送れるように受け入れ態勢を整えます。
看護師が自宅へ伺い、病気や障がいに応じた看護・ケアをおこない療養生活を支援します。体調の観察や食事や排せつなどの介護、点滴やじょくそう管理などの医療処置、お薬の内服状況の確認、さらに療養生活を送るうえでの相談・アドバイスも積極的におこなっています。
また、利用される方や家族と、主治医・歯科医師・薬剤師・ケアマネジャーなどサービスを提供する多くの職種との橋渡しも訪問する看護師が担っている重要な役割です。
家族の誰かが病気や高齢などさまざまな理由で介護を必要とするようになると、その人にあわせた食事をつくる必要が出てきます。介護に加え、栄養をきちんととることができるように日々食事の内容を考えることは大きな負担となることも少なくありません。
在宅訪問栄養指導を利用すると管理栄養士が自宅を訪問し、現在の食事内容の聞き取りや体重などの身体計測をおこない、体調や飲み込む力を一緒に評価しながら安全で適切な食事内容を提案します。
理学療法士、作業療法士、および言語聴覚士が自宅や施設へ訪問し、住み慣れた住まいや地域で、安心安全にその人が望む暮らしが送れるよう支援します。ご本人、ご家族の想いに耳を傾け、生活の中の楽しみや明日への意欲につながるよう、その方に合わせたリハビリを行います。職種の特性として、理学療法士や作業療法士は手足の運動機能や日常生活に即した自宅内外の動作練習を行い、言語聴覚士は食べる・飲み込むなどの練習や日常の食事環境の工夫などアドバイスします。その他、福祉用具・住宅改修の検討、ご家族へ介助方法のアドバイスや生活相談など行います。また、訪問看護やケアマネジャーなどと情報を共有し協力しながら支援します。
一般的な内科疾患をもち通院していた方や脳卒中後の後遺症などでリハビリのため通院していた方で、年齢や介護者の問題が発生したため通院が難しくなった方の診察や治療を自宅で引き継いでおこないます。
さらに慢性心疾患や呼吸器疾患、神経難病が進行し病院への通院が負担になってしまった方、人工呼吸器の管理など在宅療養時の“かかりつけ医”が見つけづらい方のサポートも積極的におこないます。
がんをはじめいろいろな病気による体や気持ちのつらい症状が現れたときには、症状緩和のための専門的な治療をおこないます。その他にも、抗がん剤や放射線治療などをおこなっている方の体調管理も病院と一緒にサポートしていきます。
また人生の最終段階を迎えた患者様が自宅で穏やかに過ごせるようにお手伝いします。緩和ケア病棟で療養を希望されたときには近隣の緩和ケア病棟をご紹介します。
長引く痛みにより、外出困難など著しく日常生活に制限が生じている方がいます。
このような慢性痛は体の問題だけでなく、精神的な問題や取り巻く社会環境の問題などが複雑に絡み合っていることが多く、専門医による評価・治療が重要になります。
まずはご相談ください。
高齢化に伴い認知症を患う方が増えています。物忘れ(健忘症状)だけでなく病気によりイライラや興奮症状が出現し自宅での生活が難しくなってしまうことが少なくありません。
日本精神神経学会専門医による評価や薬の調整で症状が改善し穏やかに過ごせるようにサポートしていきます。
その他、専門医による診察を希望される方は一度ご相談ください。
新たに訪問診療を希望された際は、患者様やご家族よりクリニックに連絡をしていただいております。
病院に通院または入院中で主治医が必要と判断した場合や患者様やご家族が希望を伝えた場合には、病院の主治医や地域連携室より直接クリニックに連絡をいただく場合もあります。
〈平日〉 9:00~18:00
〈土曜〉 9:00~13:00
お電話で患者様の状況を確認したうえで簡単にクリニックの説明をさせていただきます。
また病院の主治医や地域連携室から直接ご紹介いただいた場合には、クリニックの医師やスタッフが直接対応し必要な情報提供をしていただけるよう、紹介状(診療情報提供書)の作成を依頼します。
直接お電話で依頼をいただいた場合、初回訪問時までに現在かかっている主治医に連絡をしていただき、あらかじめ紹介状(診療情報提供書)をFAX(023-616-6361)していただくように依頼してください。
※何らかの事情で紹介状の作成依頼や用意が難しい場合にも対応は可能ですので、まずはご相談ください。
病院から直接紹介いただいた場合は、依頼した紹介状をFAXでいただき事前に確認をしたうえで、クリニックの医師やスタッフが病院に伺い、患者様やご家族と面談いたします。
また入院中の場合は、必要に応じて退院前に病院やクリニックの医師、看護師など多職種が集まりカンファレンスをおこないます。
自宅や施設で療養中の方の場合、なるべく早い日程で医師が初回の訪問を行い診察いたします。
現在処方されている「お薬の情報」がわかるもの(お薬手帳など)をご用意ください。入院中の方の場合も担当医と連絡をとりあい、退院後すみやかに初回の訪問診療に伺います。
※いずれの場合も、初回訪問診療時には健康保険証、介護保険証などを確認させていただきますのでご用意ください。
訪問時に医師が処方箋をつくります。4日以内にこの処方箋をお近くの調剤薬局に持参し、お薬を受け取ってください。
調剤薬局に行くことが難しい方には、自宅や施設にお薬を届けてお薬の説明をおこなってくれる(訪問薬剤管理指導)薬局を探すお手伝いや紹介をおこないます。